ペンシルバニア大学で組織心理学の教授を務めているアダム・グラント氏がTEDでお話ししていた「Giver」と「Taker」について記載していきます。
私はこれを聞いて、人にしてもらう以上に、何かを返すことができているか、振り返る機会になりましたので、ぜひ最後までご覧いただけると幸いです。
人生、仕事で成功するためのヒントになるはずです。
簡単にこちらで自己紹介もしておりますので、ご覧ください。
Giverとは?

Giverという言葉をご存じでしょうか?
組織内において、人は3種類に分けられるそうです。
- Giver
ー勉強を教えてあげたり、仕事を手伝ってあげたり、「人になんでも与える人」
- Taker
ー人に与えてもらうよりも多くもらおうとする「自己中心的な人」
- Matcher
ーGIVE&TAKEの中間を取ろうとする人
ー多くの人が「Matcher」
「Giver」は周りから「いい人」、「気遣いができる」と慕われていることが多いです。反対に「Taker」はあまりいい感情を持たれていることは多くはありません。
さて、組織内においてどのような人が活躍しているのか、見ていきましょう。
活躍する人、しない人
活躍しない人

まずは活躍しない人から見ていきましょう。
アダム・グラント氏によると生産性、営業成績、試験の成績の最下位はいずれも「Giver」だったそうです。
「Giver」は人の仕事を代わりにやってあげたり、求められていること以上に仕事をしてしまい、自分の仕事が終わらないという結果を招いてしまっていました。
例えば、成績最下位の営業マンに話を聞いたところ、「お客様のことを考えると、自社の商品は必要ない。売りたくない。」と回答されたそうです。
活躍する人

反対に、活躍する人はどんな人でしょうか?
ご安心ください、「Taker」ではありません。「Taker」は短期的に成果を上げることはできますが、「Matcher」の目の敵にされて潰されてしまうそうです。
そして「Matcher」でもありません。なんと、組織内で最も活躍している人も「Giver」だったのです。「Giver」は真に人のことを想い、役に立つことを理念にしているため、周りから求められます。
活躍する「Giver」・活躍しない「Giver」

それでは、活躍する「Giver」と活躍しない「Giver」の違いはどこにあるのでしょうか?
できれば、活躍する「Giver」として生きていきたいですよね。それぞれの特徴を見ていきましょう。
活躍しない「Giver」
活躍しない「Giver」には下記特徴があります。
- 自己犠牲を良しとし、見返りを求めない
- 「Taker」に搾取されている
活躍しない「Giver」は自己犠牲を美徳と考え、自分よりも他者を優先しすぎてしまいます。
その結果、人に与えるばかりで、自分のことは何もできていないという状況が生まれてしまいます。
また、自分が得をしたいと考える「Taker」と関わってしまっているために、「Taker」に仕事を押し付けられ、成果も横取りされてしまっていることがあります。
活躍する「Giver」
活躍する「Giver」には下記特徴があります。
- 他者志向性を持つ
- 自己利益を追求する
活躍する「Giver」は他社の利益を最大化するように働き、なおかつ自分の利益もないがしろにしないのです。
このような「他者志向のGiver」は周りと信頼関係を築き、「Give&Take」の連鎖を作り上げることができます。
しかし、「他者志向のGiver」も見返りがなさすぎると「Taker」や「Matcher」に変わってしまうこともあるそうです。
「他者志向のGiver」であっても、「Taker」に搾取されることで、燃え尽きてしまうことがあります。
「Giver」が活躍するために
「Giver」は自己犠牲をしてしまう一方、組織に改善を起こすことができます。
また、「与える」行為が多い組織、つまり「Giver」が多い組織ほど利益率、顧客満足度、従業員の定着率が高いというデータがあります。
そのため、「Giver」が活躍できる組織を作らなければならないのです。
「Giver」が活躍できる組織
「Giver」が活躍するためには、 「Giver」自身が利益を受け取っても良いと思える環境でなければなりません。
そのためには人に助けを求めやすい環境を整えることが必要です。
それは「与える」行為の75%~90%は「お願い」から始まるからです。
しかし、大抵の人は迷惑をかけたくない、無能だと思われたくないなどの理由で、簡単に「お願い」をできません。
そのため、人に「お願い」をしやすい環境を整えることが必要なのです。
「Taker」の排除
助け合いが活発な組織形成のためには「Giver」をたくさん揃えればよいのでしょうか。それは少し違います。
1人でも「Taker」が混ざっていると、「Giver」が少しずつ搾取され、「Giver」が出し惜しみをするようになってしまうのです。
たくさんのリンゴの中に1つでも腐ったリンゴがあるだけで、すべてのリンゴが次第に悪くなってしまいますよね。
そのため、助け合いが活発な組織形成のためには、「Taker」の排除」が必要なのです。搾取がなくなれば、 「Giver」は出し惜しみせずに安心して親切さを発揮することができます。
「Taker」の見つけ方
実際のところ、「Taker」を見つけることはとても難しいです。
特に初対面では「人当たり」に気を取られてしまい、「Taker」ということに気づけないのです。
そうすると「人当たりの良いTaker」、いわゆる詐欺師タイプの人物を組織に入れてしまうことになってしまいます。
さて、 「人当たりの良いTaker」 を見抜く方法に移りましょう。
それはある質問をするだけです。
『自分のおかげでキャリアが向上したと思う人を4人挙げてください』
多くの場合「Taker」は本人よりも影響力のある人物の名前をあげるのです。
それは「Taker」の多くが、上には媚び、下を虐げることに長けているからです。
反対に「Giver」は自分よりも地位が低く、影響力の小さい人物の名前を挙げるのです。
さいごに
「Giver」になろう
ここまで、「Giver」と「Taker」についてお話してきました。皆さんは自分を振り返ってみて「Giver」「Matcher」「Taker」のどれに当てはまると思いましたか?
私は「Taker」寄りの人間だと思いました。
自分の「Taker」気質が周りを腐らせてしまっていたと考えると非常に申し訳ないことをしてきたなと思うのです。
私はこの動画を見て「Giver」になることの重要性に気付くことができました。
長期的に成功するために、はたまた他者を成功させるために「Giver」になりませんか?
コメント